黒王子は不器用な騎士様!?
~Knight 3~
黒王子と私の関係性
――翌日。
『はぁあっ!?黒王子にキレて帰ってきたぁ!?』
登校してすぐ、席に着いた私は明日香にとてつもなく怒られていた。
バッカじゃないの!?それとも、本当のバカなの?と、ご立腹の明日香の口から酷い言葉が次々と放たれていく。
「うう……そこまで言わなくたっていいじゃんか…。」
『うっさい。黒王子の写真、一枚も撮ってこなかった遥が悪いんじゃない。』
――え、怒ってるとこそこなの?
どうやら、明日香が怒っている原因は、私が黒王子とモメたことではなく、私が明日香との約束を守らなかったところにあるらしい。
拍子抜けしているところに、明日香にギロリと睨まれた私は、すぐにピンと背を伸ばした。
『短気は損気って、よく言ってるでしょ?だいたい、薔薇園デートは遥が壊した黒王子のスマホの弁償だっていうのに、アンタってば……。』
はぁああー…と、頭上から盛大に吐き出される溜め息。
呆れて言葉も出ない、とでも言いたげな明日香に対して、私はもう何も言えなくなってしまった。
『・・・それにしても、』
「ん…?」
数分経って、やっと気を静めてくれた明日香が、神妙な口ぶりで言葉を発する。
『河上 栞奈ね……。』
「??…明日香、河上さんのこと、知ってるの?」