【反省は】玉の輿なのにやらかした件。【していない。】
「巧……ああ、あの野郎……骨の一本も折ってやればよかった」
彰久は唸るように彼を罵った。私は苦笑して彰久の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
「あんた一回謹慎食らったんだからもう問題起こさないでね。
さあ、もう帰ろうか。きっと景久さんが……」
私が家にいないことに気付いているころだろうから。そう言いかけたところで私の携帯が鳴った。
ディスプレイの表示を見ると、景久さんの番号だった。
丁度彼の話をしていたところだったので、私と彰久は顔を見合わせて、そして二人で同時に笑い出してしまった。