【反省は】玉の輿なのにやらかした件。【していない。】
男の人にとってはセッ○スなんてそういうものなのかもしれない。
だってセッ○スをすることで負担が多いのはどう考えたって妊娠する側の女だもの。露骨な話、男は出したらお役御免だが、女はそうじゃない。
「神罰で死んでもいいと思えるほど僕がお嫌いですか」
「……」
私は彼の顔を見上げた。
少し心配そうに私の顔を見つめている景久さん。
イヤなのはイヤだけど……ここでイヤだ、あんたとするくらいなら死んだほうがましだ、とまでは思わない。
私が生に執着しすぎているのか貞操観念が薄いのかは自分でもよく分からないけれど、死ぬよりはこの人とセッ○スをするほうがどう考えたってマシだ。
私だって人並みに恋愛経験はあるし、恥ずかしながら、酔った勢いで同僚とけしからんことをしでかしてしまったこともある。
当時、同僚とは恋愛関係にあったわけではないし、酔いがさめればそれなりに後悔もしたけれど、おたがいにさらりと忘れてそのことについては二度と口にしなかった。
それと似たようなことがまた私の身の上に起こるだけだ。しかも今回は相手が夫。酔った勢いで同僚とやってしまった事件よりは幾分倫理的にマシだ。
仕方が無い、諦めよう。夫婦なんだもの、いずれはすることになるんだろうし……。
私はため息をついて立ち上がった。
「じゃ……当日はなるべく普通の手順でお願いしますね……。
この年でカマトトぶるつもりは無いし処○でも無いですけど、だからっていきなりノリノリでそんなことができるほど、私はさばけた女でもないんですよ。
お互いの平和のために、当日は好きな芸能人でも思い浮かべてなるべく個性を出さない方向でささっと済ませましょう……」
私はへなへなと力なく景久さんに頭を下げた。