涙が枯れる日 Ⅰ【完】
目を開けると遥斗のアップだった………
「すげぇうなされてたぞ?」
うなされてた?
「夢………?」
「あぁ、桜花の帰りが遅くて探したら屋上で寝てた。そしたら急に苦しそうにしだして」
「探してくれたの?ごめんね?」
「いい。それより、どんな夢を見た?」
やっぱり聞くよね………
「あ、あのね。天龍に信じてもらえなかったことがたまに夢に出るの……。今日は遥斗もいて………」
――――――――ギュッ
気がつくと遥斗の腕の中に居た
「そうか。苦しかったな。夢に出るくらい苦しんでるのに天龍の野郎は。夢に俺が出てたって事は不安なんだな?」
「ちょっとね………。」
「大丈夫だ。俺は桜花を裏切らない。」
吸い込まれそうな真剣な目………
「うん」
「不安な時は俺に言え。泣きたい時は俺の胸の中で泣け。勝手になくな…」
「うん。ありがとう」
「あぁ」