涙が枯れる日 Ⅰ【完】
家を出てすぐの所にいつもの車が止まっていた
「遥斗、智さん、隆さんおはよう」
「おはよーう桜花ちゃん!」
「おはようございます桜花さん」
「あぁ」
私はいつもどうりに皆に挨拶をしてから車に乗った
車に乗るといつも遥斗は私の膝を枕にして眠る
それが可愛くて何だかんだ許してしまう
今日も私の膝で眠る遥斗の頭を撫でながら話した
「遥斗………相談したい事があるの」
私がそう言うと寝ていた遥斗が
「どうした?」
と聞いてくれた………
「土曜日にお父さんと話してきたじゃん?」
「あぁ」
「でね、お父さんが“一緒に暮らさないか?“って言ってきたの」
「そうか。桜花は親父さんと暮らすのは嫌か?」
「嫌じゃないの………でももし、今住んでる所から離れなきゃってなったら遥斗と離れなきゃいけなくなるから」
「それで悩んでるのか?」
「うん………。」
「だったら親父さんと一緒に住め」
え……………??
遥斗からそんな事を言われるとは思ってなかった私
「は、遥斗?どうして?」
焦っている私に対して至って普通な遥斗…
「桜花は俺を取るか親父さんを取るかで悩んでるだろ?」
「そうだよ………」
「だからだよ。俺と桜花はもし離れても別れる予定はねぇ。そうだろ?」
「でも、離れるなんて寂しいじゃん!」
「俺も寂しい。桜花の居ない毎日なんてな…。でも、俺がやめろって言って後悔させたくねぇ」