涙が枯れる日 Ⅰ【完】
俺がそう言っても女はおどおどとしながら
鞄をあさって何かを探していた………
何を探しているんだ?
「あ、あの。絆創膏使って下さい!」
絆創膏を探していたのか……
「いや、いいよ。こんぐらい」
俺が断ると
「ダメです!ばい菌が入ってしまったら余計に酷くなります!」
凄い一生懸命だなこの女…。
こんな地味男にも優しいこの女を変だと思った
「フッ………。分かったよ、ありがとうな」
俺はそう言って女と別れた