不滅の恋人~君だけを想う~

再びサロンにて



 それから、フローラが次にジュラと会ったのは友人のシリー伯爵夫人が開いたサロンへ行った時だった。

この時、夫のレオンハルトは別の夜会に呼ばれていて珍しく一人だったフローラ。

チャンスとばかりに話し掛けてみようとしたら、シリー伯爵夫人が改まって彼を紹介してくれた。

「こちら、私の友人のフローラよ」

「ジュラ・エーデシュです。よろしく」

ジュラがフローラを見てふわりと微笑む。

華やかなその笑顔からはリサイタル時の陰りを見出だすことはできなかった。

「ずいぶん気に入ってたみたいだからジュラ殿を呼んでみたわ。男爵もいないことだし、ゆっくりお話してみたら?」

コソッと耳打ちしてから夫人が離れていく。

二人になるとジュラが先に口を開いた。


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