不滅の恋人~君だけを想う~
「うん。俺、広げたらドから1オクターブ上のラまで普通にとどく」
「ええ!?す、すごい…」
普通に指を広げるとフローラは1オクターブ、ドからドまでしかとどかない。
頑張ってもレまでだ。
珍しくてジュラの片手を両手で触りながらしげしげと眺める。
すると、ジュラが照れたように咳ばらいを一つ。
「あ、あの…フローラ嬢?」
「あっ…!ご、ごめんなさい!つい…!」
パッと手を離すも、ジュラに右手を優しく握られる。
「いや、いいんだ。むしろ嬉しい…」
そして、手の甲に軽い口づけが落とされた。
「ん……君の手、可愛いね。小さくて、細くて…」
ジュラの瞳が妖しく光る。
「このすぐ折れてしまいそうな指で、どんなふうに爪を立ててくれるのか…知りたくなるなぁ」