不滅の恋人~君だけを想う~
「こ、こんばんは…」
何とか挨拶を返し、手で涙を拭う。
「不躾かとも思いましたが、貴女の横顔がとても美しくて…声をかけずにはいられませんでした」
「まあ…口がお上手ね」
フローラが照れたように微笑めば、青年は真剣な眼差しで囁く。
「涙の訳を、お聞きしてもよろしいですか?」
穏やかな話し方だが、瞳の奥の微熱は隠しきれていない。
その熱に気づきながらもフローラは彼を拒まなかった。
穏やかな川の流れを見つめながらポツリ、ポツリと身に起こった不幸を語り出す。
「それは……さぞやお辛いでしょう…」
隣で耳を傾けていた青年は自分のことのように悲痛な表情をすると、そっと彼女を抱き寄せた。
「貴女を慰めて差し上げたいのですが、よろしいですか?」