不滅の恋人~君だけを想う~
恋しいと囁かれてフローラの頬が薔薇色に染まる。
丁度その時、レオンハルトが楽譜を抱えて二人のもとへ近づいてきた。
「あ、準備できた感じ?」
「はい。貴方はどうなんですか?今日の調子は?」
「俺はバッチリ!だから練習場所譲るよ。遠慮なんかいらないから。ほら、座って座って!」
「うわっ…!」
無理矢理ピアノの前に座らされ、レオンハルトは溜息をついた。
それから徐にフローラを見つめる。
「ではフローラ。お言葉に甘えて僕も少し指を動かしますから、貴女は客席の方へ…」
「わかったわ。頑張ってね」
夫の頬に軽いキスを送り控室から出る。
すると、ジュラも部屋から廊下へ出て来た。
「席に行くなら俺が途中まで連れてってあげるよ」
「あっ、ありがとう」
突然の申し出に胸が高鳴る。
思いがけず二人きりになりフローラはチラチラとジュラの顔を見つめた。
「ふふ、俺の顔がそんなに好き?」
「えっ!あの、別にそういうわけじゃ…!」
「素直じゃないなぁー。目は口ほどに物を言うんだよ?しかも言葉と違って嘘がつけない」