不滅の恋人~君だけを想う~
「……意地悪な人」
熱を帯びた頬を膨らませてそっぽを向けば、ジュラは慌てた様子で優しい声を出す。
「ああ、拗ねないでよ。そんな君も可愛いけどさ、機嫌直してほしいな。その……本題に入りたいからさ」
「本題?」
気になって再び視線を合わせれば、彼は照れ混じりに小さく咳ばらいをした。
「一週間後、ここのホールでヴァイオリンのリサイタルがあるんだ。一緒に、どうかな…?」
予想外のデートのお誘い。
「っ…!」
驚きでフローラの目が見開く。
「君と聴きたいんだけど……ダメ?無理そうなら…断ってくれても…」
「断るなんて…!私も貴方と一緒に聴きたいわ!どうにかして来るから、待ってて…!」
嬉しげに口元を緩めるフローラがお誘いをOKすると、ジュラはパッと顔を輝かせた。
「来てくれるの?ありがとう!!ヤッタ!スゴイ嬉しい!」
子供のように喜びながらフローラの額や頬に口づける。
「ちょっと…!やめてっ」
真っ赤になって一歩後ずさると、ジュラが不機嫌面になった。