不滅の恋人~君だけを想う~
「何の真似ですか?」
歯を食いしばって怒りに堪える。
レオンハルトは青い瞳に嫉妬の炎を揺らめかせてジュラを睨んだ。
「隠し通せそうもないからね。ハッキリさせとこうと思って」
真剣な眼差しでジュラは語る。
「俺はフローラ嬢が好きだ」
刹那、フローラが息を呑み、レオンハルトが眉を上げた。
「あ、言っとくけど軽い気持ちじゃなくて本気だから。参っちゃうよね。多くを一緒に過ごしたわけじゃないのに、俺の悩みとかすぐ見抜かれちゃってさ。そんな彼女だから、有りのままの俺を見つけて理解してくれると思うんだ」
今まで色々な女性とそれなりに付き合った経験はあるが、ジュラの演奏に対する苦悩を察した女性は一人もいなかった。
ゆえに初めて出会ったのだ。
仕事でもプライベートでも全てを分かり合えるであろう女性に。