不滅の恋人~君だけを想う~
「ヴァーノンは特別よ。彼は天上にいる限りずっと私の魂を縛り続けるわ。でも…地上で私の心を震わせるのはヴァーノンじゃない。……ジュラよ」
ハッキリと言われ、レオンハルトは悲しみを断ち切るように瞼を閉じた。
「僕より先にジュラと出会っていたら、貴女は……彼と結婚していましたか?」
絞り出された声は微かに震えている。
気づいたフローラだったが、敢えて気づかない振りを決め込み、彼にとって刃であろう言葉をわざと突き立てた。
「そうね…。きっと、そうだったでしょうね」
偏に、自身の心を偽りたくなかったがゆえに。
失意がレオンハルトを蝕んでいくなど知りもせず。