不滅の恋人~君だけを想う~
4
招待状
そして月日は流れ、気づけば冬も最中(さなか)。
あのチャリティーコンサート以来、フローラがジュラと会うことは一度もなかった。
何とか一命を取り留めたジュラは、演奏家仲間や友人達に見守られてゆっくりと回復へ向かっている。
彼の魂を地上に留めて下さった神にフローラは何度も感謝した。
「会いたいわ……ジュラ」
まだ安静にということでジュラは演奏活動を休んでいる。
サロンにも呼べず、リサイタルも開かれない。
募る切なさを溜息と共に吐き出すフローラ。
そんなある日、フローラとレオンハルト宛てに招待状が届いた。
それはなんと、ジュラ・エーデシュの復帰リサイタル。
「明日よ!!レオンハルト!見て見て!!」
「……そうですか。ついに復帰するんですね」
深刻な表情で招待状を見つめる。
レオンハルトにとって、これは招待状というより挑戦状のように思われた。
「行っては駄目かしら…?」
上目遣いで怖ず怖ずと尋ねてくるフローラ。
しばし沈黙した後、レオンハルトは覚悟を決めた。
「行きましょう。二人で」