RMV~ルームメイトはヴァンパイア




「そうだな…。

そしたら、俺に飼われる気にほんとになったんなら…

態度で示してもらおうか?」





「は?」





「キスしろよ。」




「は?」



「分かってねーな。
お前ら人間は俺達にとって…ただの餌なんだよ。


それを喰いきらずに、飼ってやるって言ってるだ。


さっきお前、俺様に偉そうに「飼われてあげる」とか上からぬかしやがったが、勘違いするな!


お前が飼われてあげるんじゃねー。


俺がお前を飼ってやるんだよ。


言うなれば、お前は家畜。


俺を怒らしたり、俺に飽きられたら、喰われて死ぬ…。

それだけのことだ。

お友達を巻き込みたくなかった、俺にキスでもして忠誠を誓えよ…。」



そう嘲笑うと、ベッドに横になっていた身体を起こし…

ベッドに腰掛けた。




コイツにとって、私は本当に餌以外の何物でもないんだろう…。

私がこのまま殺されるだけなら別に構わない。

さして、未練があるような人生でもない…。

だけど…瑞希は違う。




何があっても巻き込みたくない。




「分かった…。」




そう言って、私は夜風千陽のいるベッドに足を運ぶ…。



ベッドに上半身だけ起こした、夜風千陽にまたがるように私は膝を立てて…


夜風千陽と向き合う…



「見ないで…目を閉じて…」





こんなに見られてキスなんてできない。





初めてなのに………。




「なら…お前が瞑ればいい…。」




コイツは目を瞑る…いや、私の意見に従う気なんて毛頭ないらしい。




仕方ない…。



私は夜風千陽の頬に手を当て顔を近づけた…。




全身が震えている…。

でも怖がってるなんてバレたくない…。




瞼を閉じる気配のない夜風千陽に観念し、私は目を閉じ…。




奴の整いすぎた唇に、自分の唇を押し当てた…。




やった…。



コイツの命令通り、キスをした…。




キスなんて、ただの唇と唇の接触…。




ファーストキスなんて大したことない。




そう言い聞かせるけど、悔しくて…苦しくて…




なんでこんな奴と…




そう思いながらも、唇を夜風千陽から離そうとした…




刹那…





「ふざけんなよ! ガキか!」




そう言って、夜風千陽は私の後頭部を乱雑に掴み、離れようとしていた、私を引き寄せ…




「……ンッッ!!…ッヤッッ!!!」



私の唇を舌で押し広げ、口腔内を犯す。




「まさか、キスもはじめてとは思わなかった…。

お前…気に入ったゎ。」



嫌がる私なんて無視し、猟奇的な笑みを見せるとまた唇に貪りついてくる…。




「…ンッッ。……ハァ…ン…。」




何で?凄く嫌なのに…。
また身体が…口の中が…。



コイツの触れて来る所が熱くて…



もっと欲しくなる…




気づいたら私は夜風千陽とのキスを夢中で受け止めていた…。





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