RMV~ルームメイトはヴァンパイア
私は飲みほした、スムージーが入っていたグラスを簡単に洗った。
冷蔵庫を覗くとそこには、さっきアイツが言っていたメイドさんが用意してくれたであろう、ステンレスマグとクールサーバーが入っており、ご丁寧に「千愛様」と書かれたメモが貼られていた。
私はステンレスマグを手に取り、ゲストルームとやらに向かった。
ゲストルームに入ると、ベッドの上に私の鞄と新品の制服。
下着類とバスタオル、フェイスタオル2枚が置かれていた。
下着はアイツの趣味なのか、黒レースだけでできていて…パンツにいたってはTバック。
気持ち悪いことにサイズはピッタリだ。
「誰がこんなん着るか!!」
私は誰もいないのに、大きな独り言を叫んでいた…。
1日くらい…同じ下着でもいいよね?
私は、バスタオルとフェイスタオルだけ手に取り、バスルームへと向かった。
1度つけた下着をお風呂上がりにもう一度身に付けるのは、なかなか抵抗があったが仕方ない。
あんなハレンチな下着なんて着れない…。
私は、さっきまで身につけていた下着をもう一度着て、バスタオルを巻いて部屋へと戻った。
「……キャー!!!」
そこには、平然とベッド座る夜風千陽!!
「ちょ!!なんであんたがここにいんのよ!!」
制服を持たずにバスルームに行った自分を呪いたい…。
「言い忘れた事とし忘れたがあった。
こっちに来い…。」
「なんでよ。先に着替えさせて…。」
制服を取りたいのに、制服を取りに行けば夜風千陽に捕まる。
動くに動けない…。
「お前の意見など聞いていない。
こっちに来い…。」
「…!!!
えっ!?
何で???」
まただ。
私の意志に関係なく、身体がアイツに自ら勝手に近づいて行く…。
目の前には夜風千陽。
「何で?身体が勝手に…」
「やっぱりな…。
お前はどうやら、顕在意識は俺に操られても、潜在意識は残ってるみたいだな…。
まぁいい…。」
そう言って、夜風千陽は私のバスタオルを剥ぎ取り…
私の胸の辺りに唇を当てた…。
「キャッ!!!
何!?やめてよ!!
私貧血なんだって!!!」
抵抗しようにも、腰をしっかり夜風千陽にホールドされていて身動きが取れない。
「痛ッッ!!」
と思うと同時に、夜風千陽の唇が離れた…。
どうやら、血が欲しかった訳ではないみたいだ。
「あ?誰が朝から呑むかよ。
同居のルールで言っただろ?私物には分かり易い記しをつけろって…。
お前は俺のだからな。」
そう言って、自分の胸をトントンと指でたたいて見せた。
視線を自分の旨に下ろすと…
「………!!!」
そこには真っ赤なキスマーク…。