RMV~ルームメイトはヴァンパイア
バイトが終わって、瑞希の家につくと、とても元気なママさんが出迎えててくれた。
「千愛ちゃん、お帰りなさい。
疲れたでしょ?
今冷たいもの出すからリビングで休んでてー。」
「ありがとうございます。」
そう言って、リビングのソファーに腰掛け、ママさんが出してくれたジンジャーエールを飲んでいると、瑞希がバタバタと足音を立てて降りてきた。
「千愛、お帰りー。」
「ただいまー。」
そう言って瑞希は私の隣に座ると、何か言いたげにモジモジしている。
「どうしたの?」
「んーん。べっつにー??!
何もないよ?」
付き合いの長い私にはわかる。
何か言いたいことがある癖に言えないって感じ。
もともとお喋りな瑞希。
隠し事や、秘密事が滅法苦手なのだ。
「...なんかあったんでしょ!」
「.......!!!
な!なにもないよ?」
「なんで疑問系?」
瑞希の挙動不審さに、私はクスクス笑った。
「何が面白いのよー!
あっ!そうだ!瑞希にお願いがあったの!」
「ん?何?」
「もうすぐ中間テストでしょ?
数学が全然わかんなくて...」
「いいよ。教えてあげる!」
「やったー!千愛の教え方、先生なんかより全然分かり易いもん。
嬉しい!そしたら、私の部屋で勉強会しよ?」
私はママさんに頂いた、ジンジャーエールを飲みほして瑞希の部屋へ行った。