RMV~ルームメイトはヴァンパイア
私が物心がついた時には母は天国へ行っていて…父子で今まで生きて来た。
父は娘の私が言うのもあれだが、典型的なダメ人間…。
女好き…
ギャンブル好き…
楽して稼ぎたい…
ほんと社会のゴミのような人間だ…。
お母さんが生きていれば、是非とも一度聞いてみたい。
「なぜ、あんなのを選んだの」と…
それでも、人間的には憎めない人で…
今まで数え切れない迷惑を被ってきたけど、なんだかんだで父子仲良く生活してきたつもりだった。
なのに…
クソ親父のせいで私は17歳にして全てを失った。
父親に本気で殺意が芽生えたのは初めて…ではないが…
今までで一番強い殺意を持ったことには変わりなかった。
「ほんと千愛のお父さんって感じだよね。
さらに借金こさえて学費だけでも払うって…。
いろいろとぶっ飛び過ぎてて笑うしかないわ。
とりあえず当分は家に泊まりなよ!
なんならお父さんがマグロ漁船から戻るまでいててもいーよ!
うちの親も、千愛の家のことは分かってるし、何も言わないし、むしろ歓迎だと思うし!」
散々笑い終えた後、瑞希がそう言ってくれた。
瑞希は所謂幼なじみで、かれこれ10年以上の付き合いで、父親がアホなこともあって、昔から何かとお世話になっていた。
「…ありがとう。
ほんと助かる…。
でもずっとって訳には行かないし、とりあえず住むところ見つかるまでお願いします。」
「そんな改まらなくてもいいって!
千愛は、親友だけど家族みたいなもんだし!
そろそろ休み時間も終わるし教室戻ろっ!」
「ありがとう」
そう言って私達は教室に戻った。