RMV~ルームメイトはヴァンパイア
ダメ親父はあてにできないと悟ったのは、5歳の時だった。
私の一生懸命誕生日やお年玉でコツコツ貯めた豚の貯金箱を盗み、パチンコに使い無一文で悪びれなく帰って来たことがあった。
確かこの時が初めて殺意を抱いたときだと思う。
と、同時に父親がダメな大人であることを子供ながらに悟った。
それからというもの、私は自分の衣食住を確保するため、お金は肌身離さず持っていた。
小、中学生のときは新聞配達をし、高校に入ってからは飲食店で働き、最低限の生活に必要なお金は自分で確保して生きてきた。
だから、少しではあるが貯金もある。
保証人さえ、誰かがなってくれさえすれば、ぼろいワンルームくらいなら借りれると思う。
瑞希はあぁ言ったけど、ずっと迷惑はかけれない。
今日の帰りにでも物件を探そうと授業中ぼんやりと考えていた…。