RMV~ルームメイトはヴァンパイア
考え事があると時間が立つのはあっとゆうまなもので…
気がついたら放課後になっていた。
「千愛ー! 帰ろー。
ママには簡単にだけど説明して、千愛が泊まること言っといたから!」
瑞希が私を迎えにクラスにやってきてそう言った。
「ありがとー!
でも今日バイトだから、バイト終わったらそのまま瑞希んちに行かしてもらうね。
夕飯は賄いでるし、大丈夫だから!」
「働くよねー。
わかった。そしたら家で待ってるね!
またねっっ!」
そう言って、瑞希と別れ…私はバイトにむかった。
私のバイト先は夫婦で営む、こじんまりした自宅を改装した定食屋さん。
週に5回、放課後から店じまいの9時まで働かしてもらってる。
時給はそんなによくないが…店主のおじさんとおばさんはとても気さくで優しい人達で、店を閉めた後に賄いだからと言って家庭料理をいつもご馳走してくれた。
「頂きまーす。
わぁ!今日のご飯もとっても美味しそうですね!」
今日のご飯は、肉じゃがに味噌汁と、青魚の塩焼き。
「そぉ?
千愛ちゃんはいつもとても美味しそうに食べてくれるから、おばちゃんも嬉しいわ。」
「母ちゃんの飯はうまいからな!
今は育ち盛りなんだ!
千愛ちゃんは細すぎだ。もっといっぱい食って母ちゃんくらい、ふくよかにならなきゃならんよ!」
「フフッ。
ありがとうございます。
たくさん頂きますね。」
私はダメ父しか知らず、お母さんも物心がついたときからいないから、おじさんとおばさんとご飯を食べている時は家族とご飯を食べてるみたいで、とっても幸せな気持ちになれた。
「あっ!そうだ!
もしかするとここでのバイト…辞めることになるかもしれないんです…。」
私は父が蒸発したこと。
今日から友人の家にお邪魔するが、できるだけ早く家を出て自立するつもりでいること。
だから、今より稼がなきゃ行けなくなったらバイトを変えないといけないかもしれないことを伝えた。
「お父ちゃんの話は度々聞いてはいたがそれは災難だったなー!
それだったら家に来ればいい!
家は、子宝には恵まれなくてな。
付き合いは短いが千愛ちゃんは娘みたいに俺も母ちゃんも勝手だけど思ってるんだ。
なぁ、母ちゃん!構わないだろ?」
「えぇ。もちろん。
千愛ちゃんが一緒にここで暮らしてくれたら、毎日がとても楽しくなりそうだわ。」
とても簡単な事を言うように、おじさんとおばさんは言ってくれた。
だけど…
「そ!そんな!!
いつもご飯もご馳走になってるのに…!
そこまで甘えられません!」
「それなら、ここのバイト代から家賃、食費で毎月3万引かせてもらうよ!
それなら、千愛ちゃんも気にならんだろ?」
「3万とか安すぎます!
それに、本当に気持ちだけで嬉しいです。
私もここが好きだからバイトは辞めたくないです。
だから、できるだけバイトは続けたいと思ってます。
だから、もし…もしどうしようもなくなったときはお言葉に甘えさせて下さい。」
そう言うと、おじさんとおばさんは、少し残念そうな顔をしたけれど、頑張りな!と背中を押してくれた。