臆病な私でも恋はできるのか。
値段の確認をして無理そうだったらまた来れば良いよね。
と、洋服に手を伸ばそうとすると、そのまま手から滑るように洋服が逃げて行く。
「あ、えっ…?」
柊くんがそのままレジに持っていったのだ。
「ん?あ、俺が買うよ?だって着るの俺だし」
「えっ!や、でも…」
「いいのいいの!引越し祝いってことで!買ってくるから外で待ってて」
「は…はい…ありがとうございます!」
そう言ってにこっと笑うと、同じように笑顔を返してくれた。