臆病な私でも恋はできるのか。




「おまたせ…あ…」



店から出てきた柊くんが私のこの様子を見て固まる。



「えっと…」



パッと顔を隠したのだけど、意味はなかったようだ。



「何、彼女?って…もしかして…」



まじまじと顔を見る柊くんのお友達。



「のいば…」


「よ、用事があるから…!帰る!あ、あと、彼女とかそんなんじゃない…から!」



ぐいっと柊くんの手を掴みその場をそそくさと離れる。

のいば…まで名前出てた…


私なんてあの三人の名前が出てこなかったのに。


覚えられていたのは嬉しいけれど、ここでばれては柊くんに迷惑がかかってしまう。

すでに、彼女?なんて言われてしまった。

…完全に油断してた。
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