臆病な私でも恋はできるのか。
「大丈夫だった?」
少し遠くまできて、陰に隠れながらそう聞いてくれる柊くん。
「私は大丈夫です。でも…勘違いされちゃったし…元に戻った時柊くんに迷惑がかかっちゃうかもしれない…です」
そう言って俯き地面を向く。
口下手だから上手く誤魔化せなかったし…
それに逃げるような形になって柊くんのお友達に嫌な思いをさせてしまったかもしれない。
「俺は勘違いされても良いけどね?」
「えっ?それって…どういう…」
「ま、沙織ちゃんが大丈夫だったなら問題ないね!あいつらいつでもぐいぐいくるから俺もたまに困るんだよ」
な、流れちゃった…
けど、まあいいか。柊くんが明るくしてくれるお陰で焦っていた気持ちも落ち着いてきたし。
柊くんってすごいな…