臆病な私でも恋はできるのか。
「あれね、美少女フィギュアだよ」
くいっと袖を引っ張られ柊くんの方へ傾くとそう耳元で教えてくれた。
「ちょ、ちょっと、せっかく内緒って言ったのに!」
「いきなり二人っきりにしたお返しですー」
「楽しかっただろ?」
「…楽しかったけど…」
「なら良いじゃないか」
楽しかったと言われてなんだか嬉しい気持ちになった。
こうやって男の子とショッピングするのなんて初めてだったから…少し緊張したけれど…
「沙織ちゃんは楽しかったかな?」
「はい!楽しかったです」
途中柊くんのお友達に遭遇しちゃったけれど、全体を通してみれば楽しかった。
お互いに楽しめたなら今日はとても良い日だったな。