臆病な私でも恋はできるのか。
「ちょっと悩んでて」
「へー?お前が悩み事とか珍しいじゃん」
そう…なんだ。
でも、彰人くんは悩んでいても顔に出さないから周りに気づいてもらえないようなそんなタイプに見える。
「ま、取り敢えずさ、飯食ったら元気でるって!後、女の子を家の前まで連れてくるな。俺が家に入られない」
「え、知らないですよ」
きっと彰人くんはこう返すはずと返事をすると、
「お前が俺に敬語なんて珍しいな。本気の悩みなら本気で聞いてやるから、後でメールなりなんなりして来い。あ、女の子絡みの悩みは俺じゃなくて雪柳さんにしろよ」
そう言って先に玄関に入ってしまった。
敬語忘れてた!でも、何とかなったみたい。
鷺草さんの女の子が苦手だというのはひしひしと伝わってきたし、私が元の姿ならこんなこと言われないのだろう。でも、こんな風に気遣ってくれるなんてとても良い人なのかもしれない。