臆病な私でも恋はできるのか。
「柊くん…は?」
「俺ルームシェアしてるんだ」
「へぇ」
ルームシェアか…凄いなあ…
そこでも人と関わって生活しなきゃいけないんだよね。
…って、私今日からそこに住まなきゃいけないの?!
「えっと、三十路の雪柳さんと、口うるさい二十代の鷺草(さぎそう)さんと三人で住んでる」
「え、えっと、雪柳さん…と…鷺草さん…?」
「そう!んー、でも心配だなー」
さっきから私の顔が柊くんによってころころと表情を変えるのでなんだか可笑しな気分。
私の表情筋って固まってなかったのだなと柊くんの心配をよそにそんなどうでも良いことばかり考えていた。
「あ…そうだ…!沙織ちゃんも住むっていうのはどう?」
あっ今私の顔がぱっと明るくなった……って
「え…?」