臆病な私でも恋はできるのか。
「沙織ちゃんはもーっと押さなきゃだめ!」
教室に着くと、そうメールが送られていた。
他の二人には聞かれたくない内容だからだ。
この間カフェでメールアドレスを交換しておいて良かった。
周りには面倒臭いから携帯は壊れたことにしている。
私たちのことを知っている人だけには教えてあるけれど。
「ええっ?で、でも、私まだ彰人くんのこと好き…とかそういうのじゃ…」
「そっか…でも、無理やりにでもそういうことし続けてるといつの間にか恋心に発展してるかもしれないよ?」
まだ…恋とか…そういうのはよく分からない。
でも、確かに、他の人に触れるのと彰人くんに触れるのとでは明らかに違うものだあった。