臆病な私でも恋はできるのか。
保健室を出て、誰にも見られないように木陰に移動する。
「って、確認するのも俺だと沙織ちゃんの声だから…ごめん、沙織ちゃんにお願いするね?」
「あ…えっと…そうですね…」
いっいきなり電話なんて難易度が高すぎる!
それに、柊くんのフリをしなくちゃならないんだよね?
入れ替わっただなんて信じてもらえないだろう。
「大丈夫!こそこそ耳打ちするから!」
「わ…わかりました」
だ…大丈夫かな?
人と話すのが苦手だから上手く言葉が出てくるか分からない。
それに、今日は一番声を出してるんじゃないかと思う。
こんな調子で…ましてや柊くんの真似をして、柊くんと親しい相手にバレないのだろうか。