臆病な私でも恋はできるのか。
ぽんっと肩に何かが当たる音が。
「ひっ…!」
「大丈夫?沙織ちゃん」
「え?」
ぱっと後ろを振り向くと、そこにはライトをこちらに向けたまま立っている彰人くんが。
「走って居なくなっちゃうから心配した」
「ご、ごめんなさい…あと、眩しいです」
「ああ、ごめんごめん!大丈夫?怪我は?」
ライトを別の場所にあて、しゃがみこんで私に視線を合わせてくれる。
「怪我は…無いです…でも…その、腰が抜けちゃって…立てない…」
「腰抜かしちゃったの?」
そう言って笑う彰人くん。
わ、笑い事じゃないです!私にとってこの暗い場所は恐怖でしかないんだから!