臆病な私でも恋はできるのか。

「沙織ちゃんはさ」


黙って聞いてくれていた彰人くんが話し始めた。


「沙織ちゃんは、俺や、2人が沙織ちゃんと仲良くしてあげてる…っていう風に感じてるのかな？」


…だって、もし入れ替わって居なかったら彰人くんと関わることは無かっただろうし…他の二人も私たちが親しくなっていることを知らなかったら…きっと…


「そんなことないんだよ。りおは、沙織ちゃんのこと大好きで、緊張するとか何とか言って話しかけられずに居た」


何だかそれらしいことは言っていた気がする。


「あげてるじゃないんだ。仲良くしたいって純粋にそう思って一緒に居るんだ。とっきーが裏表のないやつだってのは分かるでしょ？」


「うん」


「ね？だから沙織ちゃんは何も気にしなくて良いんだよ」


そう言われて一筋の涙が溢れた。

ほっとしたというか、何というか。