臆病な私でも恋はできるのか。
失敗したという顔でおそるおそる柊くんの方を見る私。
「だっ大丈夫だよ!多分…」
「だと…良いですね…」
柊くんになりきるのはやっぱり無理があるな…
って、そんなの当たり前だよね。
もっと柊くんのことを知って研究しなきゃ…!
「雪柳さんちょっと気持ち悪くてごめんね?」
「あ、いえ…その、優しそうだなと思いました」
「うーん、まあ、あながち間違ってはいない…かな?」
「あの、それにしても…こんな簡単に部屋って貸してもらえるものなんですか?」
ずっと実家暮らしでそういうのには疎いので感じていた疑問を素直にぶつけてみた。
「うーん、雪柳さんって女の子が好きだからね〜本当はもっと手続きとか色々あって大変なんだけど…」
そうなんだ…
って、さらっと女の子って言ったよね?雪柳さんは三十路らしいし…女性…とかじゃなく…?えっと、この違和感は流しておいた方が良いのかな?