臆病な私でも恋はできるのか。
お祭りまであと数日となったある日、私とりおは二人ショッピングに来ていた。
祭りのときうんとお洒落を頑張るためだ。
「やっぱり浴衣かな…?」
浴衣がずらりと並んでいるのを見て私がぼそりと呟くと、
「私は、毎年動きやすいように浴衣は来てなかったんだけど…浴衣の方が良いのかな…」
とりおも小さな声でそう呟いた。
「いつもとは違うところを見せた方が良いんじゃないかな…?」
「そう…かな?」
「そうだよ!りおは浴衣持ってるの…?」
私は、確か白地に紫やピンクの朝顔が描かれた浴衣があったはずだ。
「一応…でも、今年は気合入ってるとか思われないかな?!」
「心配しすぎだよ」
そう言って笑うと、そうかなとりおも笑っていた。