臆病な私でも恋はできるのか。
そして、事件は突然起こった。
お昼ご飯を食べ終わり少し経った頃だった。
「あ、あの…時守先輩…居ますか…?」
ふわふわの長い黒髪に背の低い可愛らしい女の子が、友達を連れ教室にやって来た。
「とっきー。後輩が呼んでる」
入り口の近くに居た男子がそうとっきーに声をかけるととっきーはそのまま廊下に出てしまった。
「だ…誰だろう…?」
思わずぽつりと呟くと、
「俺見たことあるよ。中学も同じだったと思う」
と彰人くんが返してくれた。
ちらりとりおの方を見ると、何だか複雑そうな顔をしていた。