臆病な私でも恋はできるのか。
未知の世界
「二時間もサボっちゃったけど、大丈夫なのかな?ま、それ以上に大変なことが起きてるから仕方ないよね」
「そうですね」
話の引き出しが少ない私にとって、今の柊くんはとてもありがたい存在。
柊くんにとっては普通なのかもしれないけれど、私にはすごいとしか思えない。
「ねえ!沙織ちゃん!」
「はっはい!」
急に名前を呼ばれ、少し驚いて声がひっくり返ってしまう。
「今から沙織ちゃんの家まで敬語禁止ね!」
「えっ…?」
「出来なかったら罰ゲーム!よーいスタート!」
ぱんっと手を叩き合図を出される。
戸惑いつつ柊くんの方を何度も見る。
「ふふっそんなに戸惑ってる俺の顔初めてみた!」
「うっ…だって」
「早く行くよ〜」
私もこんなに生き生きした私の顔なんて見たことないよ…