臆病な私でも恋はできるのか。
入れ替わって目覚めてからというものお互いの体調は万全で、少し前に倒れたというのに、今では走れるくらいに回復していた。
って…
「ちょっと待ってくだ…」
「んー?」
にやにやとした表情を浮かべる柊くんにそういえばと敬語を禁止していたことを思い出す。
「待って!」
「よく出来ました」
立ち止まり私の頭の方に手が伸びてくる。
「うーん…やっぱり出来ない…自分で自分褒めてるみたいだ」
「…私も自分に撫でられるのは…ちょっと…」
「早く戻りたいな〜寝て起きたら全部夢でしたってオチっだったら良いのに」
…そんな簡単だったならどんなに良いか。考えただけで先が思いやられる。
元に戻るには私が柊くんに恋をすること。
でも……何しろ私は恋というものをしたことがない。