臆病な私でも恋はできるのか。
「ここはどっちに曲がるの?」
「あ、右で…」
「で?」
「右…だ…よ?」
「片言だねえ」
そう言って笑う柊くん。
「…癖なので…慣れるまで待って下さい」
最初は年上だと思っていたのもあってなかなか敬語が抜けない…
「でも、みんなの前ではタメ口で話してね?」
「はっ…!そうですね…この女喋りもやめないと…」
「あ、そういえば俺もこの喋り方止めないと…え、じゃあみんなに敬語で話しかけないといけないってこと?」
「…ですね」
「うえー、雪柳さんには良くても鷺草さんには使いたくない」
そう言う柊くんが子どもっぽくてなんだか笑えてきた。