臆病な私でも恋はできるのか。
やっぱり会社行きたくないなんてらしくないことを言い出した母にまた会えるでしょうと背中を押し送り出した。
私も部屋を少し掃除して家を出た。
また…来週。
今度は晴れやかな気持ちで家を見上げることが出来た。
少し歩いたところで見覚えのある姿を見かけ駆け寄ると、彰人くんが立っていた。
「もしかして…」
「迎えに来ました」
「ありがとうございます」
このぎこちない感じ何か変。でも、すっと出された右手を素直に手に取ることが出来た。
彰人くんとの距離もきっと縮まったはずだから。