臆病な私でも恋はできるのか。




こんこんとドアを叩く音が聞こえた。



「はい」


私がドアを開けると、カップを持った彰人くんがいた。


マグカップからは暖かそうに湯気が出ている。



「癒しのひと時に参りました」


「え?」



なんだか可笑しくて笑ってしまうと彰人くんも笑ってしまった。


せっかく真面目な顔つきで頑張っていたのに。
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