臆病な私でも恋はできるのか。
彰人くんの顔を見るなりそのことが頭をよぎり、モヤモヤと考え込んでしまう日々が続いていた。
やっと週末になり、家に帰ると、沢山の資料が机の上に並べられていた。
「これ、お母さんが全部用意したの?」
びっくりしてそう聞くと、いいえと首を振るお母さん。
一体誰が…
「お父さんよ。お父さんに話してみたらね?自分が今住んでいる地域に良い大学があるんだって。そこの資料や他のところの資料まで沢山送ってきたの」
「そうなんだ」
「ここならお父さんの住んでいるところから通えるから私としても安心なんだけどね。流石に、さおちゃん一人海外で生活っていうのは心配だから」
ああ、ちゃんと心配してくれているのだと言葉にして言ってもらえたおかげで私はまた少しホッとした。