臆病な私でも恋はできるのか。
「私、留学しようと考えていて…」
「え?」
ああ、だめだった。
その反応はだめってことだ。
「海外の…大学に…行こうと…考えていて」
「うん」
ああ、さらに声が震える。
緊張と不安で指を何度も組み替える。
「彰人くんと遠距離になってしまうから…はやく言わなくちゃと思っていて…」
「そっか…」
彰人くんの顔をもう一度しっかり見ると、今度は彰人くんの目線は私ではなく前を向いていた。