臆病な私でも恋はできるのか。




振り返ると、こっちで仲良くなった友だちが私の見送りに来てくれていた。


「みんな!」


駆け寄ると少し悲しそうな顔で私の頬に手を当てる友人。


「昨日のお別れ会で渡し忘れていたものがあったのよ」


「何?」



「これよ」



彼女の後ろにまわされた手から花束が出てきた。

その隣にいた友人がすっと花束にメッセージカードを差し込んだ。



花束を受け取り、メッセージを読もうとすると後でと促された。



「ありがとう…」


私も涙を浮かべながら友人数人とハグを交わし、別れを告げた。
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