臆病な私でも恋はできるのか。

パーティ！

「よし、そろそろ鷺草くんが帰ってくるね〜」


「はあ、これから鷺草さんを弄れない日々がくるのか…」


「あ…あはは」



そんなに落ち込むことなの…？！


雪柳さんの言った通りそれから少ししてお酒の入った袋を手に鷺草さんが帰ってきた。



「よく考えたらこれ雪柳さんしか飲まないのに、俺完全なパシリじゃないですか」


「じゃあ少し飲めば良いじゃない」


「だから俺は仕事が…」


「少しなら大丈夫だよ！って、鷺草くん女の子だけじゃなくてお酒も苦手なんだっけ？」


「ちょっといい加減に…」


「さあ！お酒飲もう！」


「…本当いつも雪柳さんのペースだ」



仲の良さがひしひしと伝わってきて、どんな形であれここに居ることで家族の暖かさのようなものが見えた気がした。


もちろん、家族…とは違うのだけど、私にとって家が賑やかなのは考えられない世界で…


まだ一歩みんなの仲に踏み出せず外から見ている状況で、みんなの仲の良さに羨ましいという感情が芽生えたのだった。