臆病な私でも恋はできるのか。
「おやおや〜?酔いが冷めてこっちに来てみれば〜」
ドライヤーをかちっと止め、振り返る柊くんと私。
体がびくっと反応したのが分かった。
「も〜う、何?やっぱり付き合ってるの?もう付き合って四年くらいたってま〜すみたいな雰囲気出てるけど」
「なっ何言ってるんですか!」
お風呂上がりだからか心なしか顔の赤い柊くんがそう反論する。
廊下から扉を開け中を覗きこちらをからかう雪柳さん。
「え、でも、付き合ってもないのに一緒にお風呂入る?」
「えっどこから見て…」
「入ったの!?一緒に風呂場に居るからもしかしてと思って適当に言ったのに」
しまったという顔になる柊くん。
上手く墓穴を掘られてしまった…
「とりあえず違いますから!ていうか、お酒抜けきってないでしょう…絡みがうざいです」
ええ?!そんなにはっきり言うの!?
と驚いたのだけど、雪柳さんの顔を見てみると何てことなくにこにこと笑っていた。