臆病な私でも恋はできるのか。
「あ、そうだ!鷺草くん部屋まで運ぶの手伝ってくれない?」
雪柳さんの視線は当然私に向く。
「あ、わかりました!」
「ありがと〜」
「俺も手伝うよ」
すっと後ろからそう声を掛けてくれるのだけど、
「その身体で?多分今の君の力じゃ持ち上がらないでしょ」
と雪柳さんに言われてしまった。
確かに…運動も出来ないし…体力なんてあったものじゃないし…
「私頑張りますから、大丈夫ですよ!」
…多分。
「彰人は部屋に戻ってて良いよ」
「んー、そうか」
そう言って入れ替わったことで起きた影響に少し悲しそうな表情を見せ、柊くんは部屋に戻った。