臆病な私でも恋はできるのか。
「とうちゃーく」
案外着くのが早くて驚く私。
店内に入ると、雪柳さんは真っ先にアイスのコーナーに向かっていた。
「…何にしよう…」
真剣に見定めている姿は何だか子どもっぽくて可愛らしい。
出会ってまだ少ししか経っていないのだけど、雪柳さんの色んな一面が見られたような気がする。
「んー…でも夜だしなぁ…あ!半分個する?」
「えっ?あ、はい」
そう言うと雪柳さんはご機嫌な様子でレジに向かった。
待っている間ふと目に留まった女性向け雑誌の表紙。
元に戻らないとこんな格好は二度と出来ないのだろうな…
そんな思いが頭をよぎる。
元々こんな可愛らしい服で着飾ったりしなかったのだけれど、やっぱり…女の子なのだから着たい…な…