臆病な私でも恋はできるのか。
「おはようございまーす」
もう一度あくびをしながらリビングに入る柊くん。
「おはよ〜」
キッチンから顔を出すのは雪柳さん。
「そこ座っててね」
そう言って雪柳さんはダイニングテーブルを指さした。
もしかして朝ごはん?
とキッチンを覗くとトーストを焼いている雪柳さんの姿が。
「あ、あの、お手伝いすることってありますか?」
「ん?あぁ、そっか珍しく気がきくなと思ったら中身は沙織ちゃんだもんね!ううん、大丈夫だよ〜座ってて」
「あ…えっと…はい」
少し柊くんの様子を気にしながらそう笑って返事をすると、雪柳さんも笑っていた。
少し経って食卓にコーヒーとトーストが置かれた。
誰かと食べると、より美味しくなるのだなと感じた朝だった。