咲良と末芽
プロローグ
日野咲良は先月、中学の卒業式を終えた。特に寂しさとかは無かった。
強いて言えば卒業式の後に食べに行った焼肉が美味しかったという覚え位しかなかった。
今年から、私立凪高校の生徒になる。咲良にとって凪高と言えば学食が美味しいというイメージでそれを理由に入学することを決めたのだ。
同じく、木下末芽も先月、中学の卒業式を終えた。
咲良の幼馴染である末芽も今年から私立凪高校の生徒になる。
末芽には中学の卒業式の日に未練があった。
それは・・・咲良に告白できなかったという未練だった。
咲良の親は離婚していてお母さんが一人手で育ててきた。その分咲良を過保護と言ってもいいほど愛情を注いでいた。
幼馴染でなければ自分も咲良とは接することが難しかったのではないのか?という感じで近づく男は母親の手によって排除されてきたため、咲良は男に免疫がない。
そんな咲良が俺のクラスメイトに卒業式に裏庭で告白されてるところを偶然見てしまった。
咲良の顔が真っ赤になっていたのがわかった。そんな咲良を見て俺は逃げ出してしまったのだ。
咲良はあの男と付き合うことになったのか・・・まったくわからない。
卒業式から一か月たったというのに未だに悶々としていた。

そんな2人の物語。
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