咲良と末芽
咲良と末芽のランチタイム
喫茶コロボックルは、高校からは遠い。
しかし、家からは近いため、咲良は月1日ペースでコロボックルに通う
一応常連だった。
コロボックルの店長とも仲良く、俺はぶりっ子口調の店長が苦手だったが
店長から俺自身が気に入られていたことは知っていた。
別に嫌いではないんだけど、どうもあの口調がだめで・・・
隠れ家的なお店の喫茶店でここのアップルパイは人気があった。
そんな喫茶店に咲良と行くのは久しぶりだった。
そして、喫茶店が見えてくると外で掃き掃除をしていた店長がいた。
「げっ」
「あー!恵さん!こんにちはー!」
手を振りながら咲良が店長に近づいてくると「あらぁ~」と店長が箒を手から放して手を頬に添えて咲良の頭をなで始めた。
「咲良ちゃんじゃないのぉ~その制服凪高ねぇ~?」
「そうなの!高校生になったんだよ!」
えへへーと笑う咲良。店長は咲良の隣にいた俺にも気づいたみたいで
「まぁ!末芽くんも同じ凪高なのねぇ!」
「ま・・・まぁ・・・」
店長に俺も頭をなでられそうになったのでさらりとかわし
「その身のこなし変わらないわねぇ~」
と笑われた。
「咲良ちゃんと末芽君が高校生ねぇー・・・」
感慨深くうなずいていると店長がさらりと言った。
「そうだわ!最近人手足りなくて困っているのよぉ~2人ともアルバイトしないかしら?」
「え」
「アルバイト?」
アルバイトは正直考えてはいたのだが、この店長の下で働くのか・・・それは嫌だなとか思った。だけど・・・
「もちろん、賄いつけてあげる」
「賄い!ごはん!私やるー!」
あっけなく「賄い」という単語に落ちてしまった咲良
そうなることは予想出来ていたが、俺は正直さっき思った通り嫌だ。
そんなことを考えていると店長が「咲良ちゃんは素直でかわいいわねぇ~」と言い
「ちなみに」と続けて言った。
「当店は知ってのとおり女の子はミニスカートで可愛い子が多いから言い寄ってくる男性も少なくはないのよねぇ~・・・咲良ちゃんもひょっとしたら運命の出会いがあるかもしれないわねぇ~・・・」
俺の方を向いてしゃべってるってことはこの人・・・咲良じゃくて俺に言ってるな・・・
くそっ・・・
「俺も・・・働きます・・・」
「あらぁ~末芽君もものわかりが良くて助かるわぁ~!」
白々しい。この人やけに人を見る目があるから俺の気持ち気づいて・・・
そう考えるとイライラしてきた。
「で、2人ともうちに食べに来たんでしょう?それなら高校入学祝いでデザートとドリンクセットで300円にしてあげるわぁ~」
「やった!恵さんありがとう!」
店長が抱き着いた咲良を再びよしよしとなでているところはまるで飼い犬をなでている飼い主のように見えたが俺は「ありがとうございます」と淡々と言ってさっさと中に入った。
店内に入って壁際の席に座り、俺はカフェラテとスコーン、咲良はアップルティーとアップルパイを頼んでいた。
「咲良・・・お前、両方アップルって」
「好きなんだものアップル!」
「へぇ・・・好きなんだアップル」
「!?」
突然横から声が聞こえてきた。驚いて2人で声のした方を向くと
咲良に卒業式に告白していたあの男がいた。
ちょっと待て。なぜお前がここにいる。
「咲良さん・・・」
「志乃君・・・?」
「な・・・!」
名前呼びだと・・・!やっぱり、告白OKしたのか!?
この状態だと俺との仲を誤解されてるんじゃ・・・浮気とか?
「卒業式の日の・・・」
「お待たせぇ~ってあら?お友達?」
あの男・・・志乃が何か言いかけてたが空気を読まずに店長がオーダーを持ってきたため
志乃は「いえ、僕は・・・」と言い、咲良のほうをちらっと見て
何も言わずに店から出て行ってしまった。
・・・なんだあいつは。制服姿でここまで来たってことは・・・あいつまさか!
「おい・・・咲良お前あいつにストーカーされてんじゃないか?」
「ストーカー?」
付き合ってるかもしれないとはいえ多分あいつ学校から俺らを尾行してたんじゃないかと俺は推測した。そこまで咲良が好きなのか・・・愛がゆがんでるな
「ストーカーな訳ないよ。だって志乃君は・・・」
そこまで言うと咲良は口を噤んだ。なんだよ・・・一体・・・俺に言えないような仲なのか・・・
そう思うと俺は落ち込んではいたが、顔には出さないようにしていた。
「末芽!紅茶とカフェラテ冷めちゃうよ!早く食べて飲もう!」
咲良にせかされて俺は「そうだな」と言い、カフェラテを口に含んだ。
その日食べ終わってから志乃の話題が出ることは無かった。
しかし、家からは近いため、咲良は月1日ペースでコロボックルに通う
一応常連だった。
コロボックルの店長とも仲良く、俺はぶりっ子口調の店長が苦手だったが
店長から俺自身が気に入られていたことは知っていた。
別に嫌いではないんだけど、どうもあの口調がだめで・・・
隠れ家的なお店の喫茶店でここのアップルパイは人気があった。
そんな喫茶店に咲良と行くのは久しぶりだった。
そして、喫茶店が見えてくると外で掃き掃除をしていた店長がいた。
「げっ」
「あー!恵さん!こんにちはー!」
手を振りながら咲良が店長に近づいてくると「あらぁ~」と店長が箒を手から放して手を頬に添えて咲良の頭をなで始めた。
「咲良ちゃんじゃないのぉ~その制服凪高ねぇ~?」
「そうなの!高校生になったんだよ!」
えへへーと笑う咲良。店長は咲良の隣にいた俺にも気づいたみたいで
「まぁ!末芽くんも同じ凪高なのねぇ!」
「ま・・・まぁ・・・」
店長に俺も頭をなでられそうになったのでさらりとかわし
「その身のこなし変わらないわねぇ~」
と笑われた。
「咲良ちゃんと末芽君が高校生ねぇー・・・」
感慨深くうなずいていると店長がさらりと言った。
「そうだわ!最近人手足りなくて困っているのよぉ~2人ともアルバイトしないかしら?」
「え」
「アルバイト?」
アルバイトは正直考えてはいたのだが、この店長の下で働くのか・・・それは嫌だなとか思った。だけど・・・
「もちろん、賄いつけてあげる」
「賄い!ごはん!私やるー!」
あっけなく「賄い」という単語に落ちてしまった咲良
そうなることは予想出来ていたが、俺は正直さっき思った通り嫌だ。
そんなことを考えていると店長が「咲良ちゃんは素直でかわいいわねぇ~」と言い
「ちなみに」と続けて言った。
「当店は知ってのとおり女の子はミニスカートで可愛い子が多いから言い寄ってくる男性も少なくはないのよねぇ~・・・咲良ちゃんもひょっとしたら運命の出会いがあるかもしれないわねぇ~・・・」
俺の方を向いてしゃべってるってことはこの人・・・咲良じゃくて俺に言ってるな・・・
くそっ・・・
「俺も・・・働きます・・・」
「あらぁ~末芽君もものわかりが良くて助かるわぁ~!」
白々しい。この人やけに人を見る目があるから俺の気持ち気づいて・・・
そう考えるとイライラしてきた。
「で、2人ともうちに食べに来たんでしょう?それなら高校入学祝いでデザートとドリンクセットで300円にしてあげるわぁ~」
「やった!恵さんありがとう!」
店長が抱き着いた咲良を再びよしよしとなでているところはまるで飼い犬をなでている飼い主のように見えたが俺は「ありがとうございます」と淡々と言ってさっさと中に入った。
店内に入って壁際の席に座り、俺はカフェラテとスコーン、咲良はアップルティーとアップルパイを頼んでいた。
「咲良・・・お前、両方アップルって」
「好きなんだものアップル!」
「へぇ・・・好きなんだアップル」
「!?」
突然横から声が聞こえてきた。驚いて2人で声のした方を向くと
咲良に卒業式に告白していたあの男がいた。
ちょっと待て。なぜお前がここにいる。
「咲良さん・・・」
「志乃君・・・?」
「な・・・!」
名前呼びだと・・・!やっぱり、告白OKしたのか!?
この状態だと俺との仲を誤解されてるんじゃ・・・浮気とか?
「卒業式の日の・・・」
「お待たせぇ~ってあら?お友達?」
あの男・・・志乃が何か言いかけてたが空気を読まずに店長がオーダーを持ってきたため
志乃は「いえ、僕は・・・」と言い、咲良のほうをちらっと見て
何も言わずに店から出て行ってしまった。
・・・なんだあいつは。制服姿でここまで来たってことは・・・あいつまさか!
「おい・・・咲良お前あいつにストーカーされてんじゃないか?」
「ストーカー?」
付き合ってるかもしれないとはいえ多分あいつ学校から俺らを尾行してたんじゃないかと俺は推測した。そこまで咲良が好きなのか・・・愛がゆがんでるな
「ストーカーな訳ないよ。だって志乃君は・・・」
そこまで言うと咲良は口を噤んだ。なんだよ・・・一体・・・俺に言えないような仲なのか・・・
そう思うと俺は落ち込んではいたが、顔には出さないようにしていた。
「末芽!紅茶とカフェラテ冷めちゃうよ!早く食べて飲もう!」
咲良にせかされて俺は「そうだな」と言い、カフェラテを口に含んだ。
その日食べ終わってから志乃の話題が出ることは無かった。