藤色関係もよう


そんな鈴ちゃんに持つこの頃の不満。
それは、
私に敬語を使うこと!


あゆちゃんには敬語じゃないのに、私は二つも年が離れているから流石に敬語がとれないらしい。納得いかない。

あゆちゃんはなんだか不思議な雰囲気というか、オーラというべきだろうか、があって、
暖かく包まれている感じがして、気持ちがいい。

一定の距離間があってもその暖かさがあるから、鈴ちゃんより口数の少ないあゆちゃんでも
素っ気ない感じがしないのだろう。
鈴ちゃんがあゆちゃんに敬語を使わないのもきっとその暖かさがあるから。

あゆちゃんのもつ、才能の一つだ。羨ましいなと思う。


そういえばそんなあゆちゃんだが、
彼氏と最近別れたらしい。



「あゆちゃん、新しく好きな人とかいないの?」


と聞いてみた。




「うーん、別れたばっかりだし、もう四年生だし、
暫くはいいかな~って思ってる、いまは。」


「なるほど、そっかあ~。わたし男だったら絶対あゆちゃんと付き合いたいけどな、大人っぽくて、しっかりしてて、可愛いし、年下なのに色っぽいし。」


「なにそれ、慰めですか。ありがとうございます。わたしは男だったら奈緒子と付き合いたいけどな、最高にかわいい犬系彼女。鈴音は?」



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