藤色関係もよう
あ、もうだめだ。
あゆちゃんがうーん、といって飲み物に目を向けたまま、こちらを見てくれない時、
それはもう話したくないという合図。
もうこの話はおしまい。
話題を変えよう。
それからは、最近サークルで起こった面白い話を聞いたり、私の職場の愚痴、
あとほとんどはバンドの話し。
今の曲が終わったらどんな曲をやるか、
今使っているスタジオより、安くて予約の取りやすいスタジオを見つけたとか、
今度のライブのセトリを決めたり、
鈴ちゃんの曲作りのノートを見せてもらったりー鈴ちゃんの書く歌は本当に良いー、
そんな感じで結局いつも通りの飲み会をして、
最後にはあゆちゃんにプレゼントを渡してーWacoalの下着、上下セット、Tバックのえっちなやつ、
あゆちゃんは彼氏いないから次のライブで履くって言ってくれたー、
いつも通りバイバイと言って別れる。
バンドの練習が終わって、
大抵ご飯を三人で食べて、バイバイして、
私は学校の近くに住む彼氏の家に向かう。
ー ピンポーン ーー
ガチャリ、と鍵が開いて、
「おつかれさま、」
と彼が言ってくれる。
「ただいま!」
とここに住んでいるわけではないけど、そういって、彼、ふーたに抱き付く。